2019年6月7日最終更新
こんばんは。
ダリー語(アフガニスタンで使われるペルシア語)を学んでいて難しいと感じるのは、イランのペルシア語との違いです。(以下、便宜的にイランのペルシア語を「ペルシア語」とします)
私はペルシア語を学んでいないので、どれがダリー語で、どれがペルシア語か見ても分かりません。そんなときに役立つ用語集を見つけました。
以前の記事で取り上げたことがあったダリー語・ペルシア語用語集です。
その時は絶版になっていたと思っていたのですが、Amazon USでは在庫がなかったものの、後日Amazon UKで入手できました。
2週間程使用したので、感想を書きますね。
書名 واژه های متفاوت دری به فارسی برای مترجمین

Many Several Dari Words of Different Kinds to Persian
- 作者: Sam Samami
- 出版社/メーカー: Books on Demand
- 発売日: 2018/01/02
- メディア: ペーパーバック
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この用語集は全体が447ページで、前半と後半に分かれています。
前半はダリー語からペルシア語、後半はペルシア語からダリー語を調べることができます。4,000以上のダリー語の単語が収録されています。
例えば、مسلک (maslak)という単語を調べてみます。
ペルシア語のمسلک は、「主義、政策、信条、方針、原理、原則」です。
(出典『ペ日・日ペ 現代ペルシア語辞典(合本)』黒柳恒男 著)
この用語集を使って、ダリー語で مسلک (maslak)を引くと、ペルシア語のتخصص (takhasus)に当たると記載されています。
ですので、ダリー語で مسلک の意味は「専門、専門知識」になります。
こんな感じで使えます。持ち歩ける大きさで便利だと思いました。
この本は、ペルシア語とダリー語の通翻訳者、学習者向けに作られたものだそうです。個人的には、ペルシア語かダリー語のどちらかに精通した方や、中上級者向けという印象を持ちました。
(初学者も使えないことはないですが、意味がペルシア語/ダリー語で書かれているので、調べた意味も再度辞書を引くことになります。何度も辞書を引くのが大変だと感じる方もいるかもしれませんので、中上級者向けという気がしました。)(括弧内一部追加修正)
私の場合は、ペ日・日ペ辞書で単語が見つからない時や、文脈に違和感を覚えた時にチェックする単語集として使っています。
(蛇足ですが、この本の最終ページには、1年の各月がペルシア語、ダリー語、パシュトー語で記載されていました。)
もちろん、少し前に紹介したダリー語のオンライン辞書も使えますが、この辞書も収録語数を増やしている途中のものですので、今回の用語集も持っていて損はないし、むしろ役に立つのではないかと思います。
今、翻訳の仕事をする時にLogophileという「市販の様々な規格の電子辞書を統合して検索・表示するためのソフトウェア」を使っています。
複数の辞書が一度に引けて、意味を比較できるので便利です。
(ご興味ある方はLogophileのサイトをご参照ください。)
紙の辞書は書き込みができたり、見開きページを一目で見られるので便利ですが、将来的にこんな感じのソフトウェアを使って、電子化されたダリー語の辞書を一括検索できたら便利ですね。
<おまけ>
昨日のシャクヤクが八分咲きになりました。(左のお花は、まだ中央が開いていません。)
つぼみの段階では想像もつかないくらい、豊かな花びらを隠し持っているのですね。
本当に可愛いです。
ちなみにダリー語でつぼみのことをغنچه(ghuncha)と言います。
(なんとなく響きが可愛い。)
今日も読んでくださってありがとうございます。
ではでは。