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アフガニスタン、ダリー語について

映画『そして人生はつづく』をDVDで観て

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MacieicaMによるPixabayからの画像

 

こんにちは。

先日、アッバス・キアロスタミ監督の映画『友だちのうちはどこ?』の感想を記事にしました。

 

www.daridaridari.com

 

その後、この作品の後に撮影された『そして人生はつづく』、『オリーブの林をぬけて』もDVDで観ました。

結論から言うと、3本全部観て良かったです。

短期間で3本観たせいか、それぞれの映画のつながりや変化(出演者の成長ぶり、変わってしまった街並み、変わらない自然など)を観ることができました。

(これからご覧になる方は、時系列順に観ることをお勧めします。)

 

鑑賞後に分かったこと。

この3作品『友だちのうちはどこ?』、『そして人生はつづく』、『オリーブの林をぬけて』は、アッバス・キアロスタミ監督 سه‌‍ گانه کوکر (コケル3部作)と言われているそうです。(または、「ジグザグ道 3部作」とも呼ばれています。)

 

今日はこの3部作のうちの2作目『そして人生はつづく』について記事にします。 

この映画について

題名:『そして人生はつづく』
原題: «زندگی و دیگر هیچ ...۱ »

監督・脚本:アッバス・キアロスタミ

制作年:1992年

イラン作品

 
あらすじ

1990年、イラン北部は大地震に見舞われました。被災地域には、『友だちのうちはどこ?』の撮影場所だったコケルも含まれていました。監督は当時の出演者の安否を確認するため、息子を連れて、かつての撮影場所へと車を走らせます。

倒壊した家々、渋滞が延々と続く道路。
会う人は皆、大切な誰かを亡くし、悲しみに暮れています。それでも瓦礫撤去の作業に追われる人もいれば、自分にとって大切な何かを運んでいる人もいます。

道中、『友だちのうちはどこ?』に出演していたおじいさん(扉の職人で、夜道を案内してくれた人)や、「背中が痛い」と訴える生徒役で出演していた少年に再会します。

監督は、主役だったアハマッドプールの無事を確かめるため、コケルへと先を急ぎます。

 

感想(これから観る人は読まない方が良いかも。)

この作品はフィクションでありながら、ドキュメンタリーを見ているかのような不思議な映画でした。観ているうちに、自分がどちらを観ているのか分からなくなってしまうんです。

監督と息子がコケルへ向かう道中、人々が色々なものを運んでいるところに出会います。

『友だちのうちはどこ?』に出演していたおじいさんも、「生きている人にとって必要な」あるものを運んでいます。

このおじいさんが「自分の家は本当はこの家ではないのだけれど、映画の人たちがここを自分の家にしろというものだから・・・・・・」、「本当の家は地震で壊れてしまったよ」というような内容の台詞を言うことで、私たちが観ているのはドキュメンタリーではなく作り物なんだということを教えてくれるのですが、観ているうちにまたドキュメンタリーのように思えてきます。

『友だちのうちはどこ?』でも『そして人生はつづく』でも、人間の生活のそばには、いつも自然があって、その美しさが映像を通して伝わってきました。

映像なのにどうして風も水も埃も緑もこんなにも生き生きと伝わってくるのでしょう?

私たちは自然に翻弄される存在で、地震での生死を分けたのも「たまたまその場所にいたから助かった」ということが語られます。

前回の映画で主役を演じたアハマッドプールが無事だったかどうかは、結局、最後まで分からずじまいです。(3作目を観ると分かります。)

(余談になりますが、この映画のジグザグ道は『友だちのうちはどこ?』のジグザグ道とは異なる別の道ですよね。すごく急な坂道だったので、あそこをあの車で登るのは相当大変です。馬力が必要ですね。スルスルと落ちてきた様子も、もう一回頑張って登っていく様子も観ていてすごく微笑ましかったです。)

 

今日も読んでくださりありがとうございます。
では。

 

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