こんにちは。
アフガニスタンの有名な果物に、ザクロがあります。
ザクロのことをダリー語で انار (anaar)と言います。
そんなانار (anaar)のことを歌った詩を教えてもらったので、紹介しますね。
دلا به باغ برو مشرب از انار آموز
که موج خون به دل و خنده بر دهان دارد<delaa ba baagh beraw mashrab az anaar aamoz><ke mawj-e khoon ba del wa khanda bar dahaan daarad>
あなたよ、園に行きなさい ザクロから生き方を学びなさい
心は血で波打っているのに、口では笑っている
(出典: احمد ظاهر سخی جان میروی、発音と訳は引用者。)
この詩は、アフガニスタンの国民的歌手احمد ظاهر アフマド・ザーヒルの歌詞の一部です。
初めて聞いたとき、とても美しくて、どことなく苦くて、情緒溢れる詩だと思いました。
冒頭のザクロの写真を見ていただくと分かりますが、ザクロの実が熟すと割れてきますね。その割れている様がまるで笑っているようです。中身の種はまるで真っ赤な血のよう。心の中はズタズタに傷ついているのに、外では笑っている、そんな生き方をザクロから学んできなさいという詩でした。
泣きたくなるくらい辛い思いを抱えていても、笑っている人もいますね。
外側しか見ない人からは、心ない言葉を掛けられてしまうこともある。
でもその人は自分が辛い分、人の痛みが分かるから、その言葉も黙ってじっと受け止めています。
健気だと思う反面、そんなに無理しなくて良いよと声を掛けたいけれど、
笑っていないと悲しみに引きずり込まれてしまいそうになる、そんな気持ちだったりするのかなと思いました。
このダリー語の詩はとても美しいですね。こんな美しくて豊かな言葉を学べるなんて、とても素敵なことだとしみじみ感じました。
こういう経験はお金を出してすぐに買えるものではないというところ、時間をかけてじっくり学ぶからこそ、時々出会えるものですね。
言葉のそんなところが好きです。
いつも写真で使わせていただいているフリー素材のPixabayで優しくて温かいザクロの絵を見つけたので最後に載せておきます。
今日も読んでくださりありがとうございます。
では。