こんにちは。
ダリー語を学んでいると、詩が文化の根幹なのだなとつくづく思います。
暗記は得意ではないのですが、最近(なんとか)覚えた詩を紹介します。
例によって小6の教科書からです。
とても素敵な詩です。発音も付けたので良かったら読んでみてくださいね。
詩「自由のチューリップ」« لالهٔ آزاد »
« لالهٔ آزاد »
(laala-e aazaad)
「自由のチューリップ」
ا۱ من لالهٔ آزادم، خودرویم و خود بویم(man laala-e aazaadam, khod-rooyam wo khod-booyam)
私は自由のチューリップ 自ら生え 自ら香る
ا۲ در دشت مکان دارم، همفطرت آهویم(dar dasht makaan daaram, ham-fetrat aahooyam)
野原に居場所がある ガゼルと同じ性格だ
ا۳ آبم نم باران است، فارغ ز لب جویم(aabam nam-e baaraan-ast, faaregh z lab-e jooyam)
私の水は雨粒だ 小川の端には頼らない
ا۴ تنگ است محیط آنجا، در باغ نمیرویم(tang ast muheet aanjaa, dar baagh name-rooyam)
あそこの環境は窮屈だ 私は花園では育たない
ا۵ من لالهٔ آزادم، خودرویم و خود بویم(man laala-e aazaadam, khod-rooyam wo khod-booyam)
私は自由のチューリップ 自ら生え 自ら香る
ا۶ از خون رگ خویش است، گر رنگ به رخ دارم(az khon-e rag-e kheesh ast, gar rang ba rukh daaram)
もし顔に色があるなら 自分の血管の血だ
(顔色は自分の血からだ ※後述)
ا۷ مشاطه نمیخواهد، زیبایی رخسارم(mashaata name-khwaahad, zeebaayee rukhsaaram)
美容師は要らない 私の頬には美しさがある
ا۸ بر ساقهٔ خود ثابت، فارغ ز مددگارم(bar saaqa-e khod saabet, faaregh z madadgaaram)
茎の上で安定しているから 支えは必要ない
ا۹ نی در طلب یارم، نی در غم اغیارم(nee dar talab yaaram, nee dar gham aghyaaram)
味方もいらない 敵もいらない
ا۱۰ من لالهٔ آزادم، خودرویم و خود بویم
(man laala-e aazaadam, khod-rooyam wo khod-booyam)私は自由のチューリップ 自ら生え 自ら香るمحمد ابراهیم صفاムハンマド・イブラヒーム・サファ作
(出典:アフガニスタン6年生のダリー語教科書 128ページ。番号、発音、和訳は引用者。)
とても自立心旺盛な、自由なチューリップですね。
教科書に載っていた詩の中でも、特に生きる強さを感じる詩でした。
文法事項など
1、4、5、10行目に出てくるروییدن(rooiyeedan)について
こちらの動詞はرفتن(raftan)ではありません。
روییدن(rooiyeedan)「生える、成長する」です。
私は見事に間違えてしまいました・・・ 道理で意味が通じない訳です。
同じ形ですので引っ掛かりやすいです。
ボンヤリ読んでいるとうっかり引っかかってしまいます。(とほほ・・・・・・)
رفتن(raftan)の一人称複数現在 میرویم (mee-raweem)
روییدن(rooiyeedan)の一人称単数現在 میرویم (mee-rooyam)
3と8行目のفارغ ز(faaregh z)について
詩に出てくるز(z)はاز(az)の省略形です。
ここでのفارغ زの意味は、依存しない、頼らないという意味だそうです。
6行目~7行目
گر(gar)はاگر(agar)の省略形です。
チューリップの詩なので、この部分はチューリップの赤い色を表現しています。
元々自分の血で赤いから、美容師にお化粧してもらう必要はないよ~という面白い表現になっています。
今日も読んでくださりありがとうございます。