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アフガニスタン、ダリー語について

ナヴァーイー廟の修復(ウズベキスタン・アフガニスタン共同事業)

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Jill WellingtonによるPixabayからの画像
2020年12月26日最終更新

 

こんばんは。

ヘラート州にアミール・アリーシール・ナヴァーイー(※)の霊廟があります。

今から500年以上前の詩人、文人、政治家です。

※アミールではなく、ミール・アリーシール・ナヴァーイーと書かれているものも多いですが、TOLOニュースのダリー語原文ではアミール امیر علی‌شیر نواییと書かれていましたので、この記事ではアミールと表記します。 

 

ナヴァーイーとはどんな人物だったのでしょうか?

 

『岩波イスラーム辞典』から一部抜粋します。

ナヴァーイー 1441-1501

 ティムール朝末期のヘラートにおいて活躍したトルコ系の詩人・文人。チャガタイ・トルコ文学の確立者とされる。

(中略)

 ナヴァーイーの職歴は明らかにトルコ・モンゴル系軍人のものであるが、当時のトルコ文章語であるチャガタイ語を用いて活発に著作活動を行い、チャガタイ・トルコ文学の確立者となった。彼の努力によって中央アジアにトルコ古典文学が根付いたといえる。韻文作品には『意味の宝庫』『五部作』『鳥の言葉』など、散文作品には『高貴なる者たちの集い』『2つの言語の裁定』『心魂より愛される者たち』『ナヴァーイー書簡集』などがあり、とくに韻文作品は、遠くオスマン朝宮廷でも愛好された。なお、トルコ詩を詠む時の筆名がナヴァーイーであり、ペルシア詩を詠む時にはファーニーという筆名を用いた。

(中略)

 今日、彼の作品は中央アジアのトルコ系諸民族の間で絶大なる人気を誇っている。

(出典:『岩波イスラーム辞典』p.697, ナヴァーイー、青色と太字は引用者による。)

 

 

TOLOニュースの記事と動画によると、今回、ウズベキスタン大統領府の使節団がヘラートの霊廟を視察し、修復の申し出があったそうです。

元々アフガン政府も史跡の保全と修復に予算を充てているそうですが、
動画を見ていただくと分かりますがまだ修復が必要な状況です。

ナヴァーイー廟は4本のミナレットの傍に立っており、
外壁を覆っていたタイルがほとんどが剥がれています。

動画では廟の内側の様子も映っていて、タイルは剥がれてしまっていますが、美しい文様だったことが想像できます。

 

動画では外壁と内部の様子が詳しく見られます。

 

動画 (14:17から始まります。)

youtu.be

ウズベキスタン側からは、アミール・アリーシール・ナヴァーイーの功績は、両国共通の文化遺産であり、来年はナヴァーイー生誕580周年であることから、両国で共に祝いたいという声が上がっていました。

 

治安が安定したらこの廟を訪れたいという人も沢山いるのではないでしょうか。

500年前の詩人に想いをはせる事業、順調に進んで欲しいです。

 

元記事

「ウズベキスタン ヘラートのアミール・アリーシール・ナヴァーイー廟を修復へ」

tolonews.com

 

今日も読んでくださりありがとうございます。