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アフガニスタン、ダリー語について

『アフガン零年』を観て

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Ashish BogawatによるPixabayからの画像

 

こんにちは。

アフガニスタンのドラマや映画の特集サイトDaryaで"Osama"を観ました。

DARYA | The Best TV Series & Movies for Afghans

 

2003年に公開されたアフガニスタンの映画で、Siddiq Barmak監督の作品です。

邦題は『アフガン零年』です。

有名な映画なのでご覧になった方もいらっしゃると思います。

 

私が観たのは、音声がダリー語で、英語字幕が付いていました。

上記サイトのMoviesから無料で視聴できます。


<冒頭のあらすじ>

タリバン時代のアフガニスタン。
内戦で男の家族を失った未亡人たちが働く権利を求めて大勢でデモをしています。
皆生きるために必死になって仕事を求めている状況です。

そんななか、祖母、母、娘の3人で生活している一家が、
娘を少年に変装させて働きに行かせるという話です。

 

この映画はハッピーエンドではありません。
観ていて痛みを感じる映画です。

ミルク屋のおじさんや、お香屋(エスパンディ)の少年が、ところどころで主人公を助けてくれますが、彼らも自分の身を守る必要があるので限界があります。

エスパンディの悲しそうな、なんとも言えない顔が忘れられません。

映画が製作されてから18年経ちましたが、今でも観る価値があると思います。

 

国際交流基金のサイトに、映画公開の2年後に来日した監督インタビュー記事が掲載されていました。

元々予定していたエンディングを変更した話も書かれています。

国際交流基金 - 『アフガン零年』 (2003年カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞受賞) シディク・バルマク監督来日インタビュー

 

この映画は色々な捉え方ができますが、

善と悪の対立でもなく、
短絡的に何かを悪者にするのでもなく、
アフガニスタンの文化に合う在り方とはどんなものなのかを考えさせられます。

大勢の人が理不尽さに打ちひしがれて泣いている状況は、やっぱりおかしいですが、
アフガンの人たち、男性も女性も子供も多くが受け容れられる文化や価値観ってどんなものなのでしょうか。

体制が変わった18年後の今、都市部では変わった部分もあるのかもしれませんが、メディアに出ている面がすべてではないので正直よく分かりません。

この映画で主人公オサマを演じたマリアさんは今も女優を続けていて、釜山映画祭でベールをしていなかったことで脅迫を受けて、今はフランスに亡命しているという記事を読みました。

自分の中の正義が強すぎると、他人の価値観と衝突した時に相手をうまく許容できない状況は、アフガニスタンだけでなく、日本でも、どこかの人間関係でも起きていることだと思います。
だからこそ極端に走らないことが大切なのかなと思います。

 

今日も読んでくださりありがとうございます。