こんにちは。
先日アフガニスタン西部のヘラートとイラン東部カワーフを結ぶ鉄道が開通しました。
試験走行でイラン側からセメントを積んだ貨物列車、イランの政府職員が乗った旅客列車がヘラート側に到着したというニュースが地元紙で報じられました。
(関連:https://tolonews.com/fa/business-168392)
このヘラート=カワーフ路線(خط آهن هرات -خواف)は、完成すると全長226キロメートル。
イラン側が77キロメートル、アフガン側が149キロメートルです。
現時点ではイラン側(第1、第2区間)とアフガン側(第3区間)が開通しており、ヘラートの工業都市まで80キロメートル延伸する工事(第4区間)も始まったそうです。
この路線はイランが資金援助したプロジェクト(第1-3区間)で諸事情から遅れていましたが、ついに開通。
木曜日(射手座月20日)には両国大統領オンライン出席のもと、開通式典が行われました。(この模様は下の動画でも確認できます。)
「アフガニスタンとイラン間だけでなく、周辺地域にとっても非常に重要な事業だ」とガニ大統領は語っていました。
そこでアフガニスタン鉄道局のウェブサイトで、路線の場所を確認しました。
以下地図の赤丸の部分です。
出典:アフガニスタン鉄道局(2019)、پلان توسعه خط آهن افغانستان تا سال ۲۰۳۰(「アフガニスタン鉄道整備2030年計画」)9ページ目「周辺諸国の鉄道網とアフガニスタン鉄道の重要性」、図の編集は引用者)
ヘラート州はさまざまな産業が盛んな大都市なので、貨物列車に乗せて農産品や資源などが国外に運べることになります。
農作物が豊作でも、出荷できなくて困っているという話をよく目にするので、
これで農家の方々も出荷先が確保できれば随分助かるのではないでしょうか。
上の地図のオレンジ色の点線は、これから新設予定の路線です。
これが開通すると、例えばヘラート=カーブル=トルクハムが電車で行けるようになります。
アフガン国内だけでなくて、それこそヨーロッパからアフガニスタン経由でパキスタン、インド、東南アジアまで通れるような路線もできたりするようです。
地図を見ていると夢が見られますね。
詳細パンフレットはこちらです。(英語)
ヨーロッパから東南アジア、中国あたりまでの大まかな路線図も載っていました。
元記事
「ヘラート=カワーフ間の鉄道 公式開通」
動画はこちら。(02:00から始まります。)
開通式の様子と賑わいが見られます。
イランのペルシャ語ではقが「ガ」に近い発音になるのですね。
アフガニスタンのダリー語もイランのペルシア語も音の響きが美しいです。
今日も読んで下さりありがとうございます。