2020年8月27日最終更新
こんにちは。
皆さんは、ベルギーのブリュッセルに拠点を置く国際味覚審査機構 (International Taste Institute: ITI)をご存じですか。
この国際味覚審査機構は、色々な商品の味覚を審査しています。
日本でもソーセージなどの袋にメダル印のシールがついているのをご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
- アフガン産サフラン 最高品質三つ星認定
- 国際味覚審査機構(International Taste Institute: ITI)による認定サフラン
- Afghan Saffron Company創業者の話
アフガン産サフラン 最高品質三つ星認定
この国際味覚審査機構( ITI)の2019年審査で、アフガニスタン産サフランが最高品質三つ星にあたる優秀味覚賞(Superior Taste Award)に認定されたそうです。
8度目の認定。凄いですね。
実際の記事ではこのように紹介されていました。
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アフガニスタン生産者組合は、アフガニスタン産サフランが8度目となる世界最高品質のサフランに認定されたと述べている。
同組合によると、ベルギーにある味覚審査機構によって、アフガン産サフランが世界の他のサフランよりも上質であると識別された。
(出典:「アフガニスタン産サフラン 世界で最高品質サフランに8度目の認定」、1398年射手座月29日付TOLOニュース記事。和訳、太字は引用者。)
アフガン産サフランの最高品質三つ星認定は、今回で8度目なのですね。
8度目、第8などの序数詞は、以前の記事で م (-om)をつけた形هشتم(hashtom)を紹介しました。この序数詞は名詞の後ろに置きます。
(例)8回目 بار هشتم (baar-e hashtom)
今回の序数詞は、上記とは別の形です。
مین (omin)を付けてهشتمین (hashtomin)になります。
この序数詞は名詞の前に置きます。
(例) 8回目 هشتمین بار (hashtomin baar)
世界で取引されているサフランは430トン。
このうちアフガニスタンで生産されているのは8.15トン(全体の6.3%)だそうです。
高品質なサフランは国内外で高額取引されているようなので、
今後、アフガニスタンの基幹産業になっていくかもしれませんね。
元記事はこちら。
「アフガニスタン産サフラン 世界で最高品質サフランに8度目の認定 」
国際味覚審査機構(International Taste Institute: ITI)による認定サフラン
さて、最高品質を認定したITIのサイトによると、審査は
「味の評価は独立したプロの専門家集団により行われます。製品はヨーロッパで最も著名な飲食関連協会所属の200人以上のシェフとソムリエで構成される審査員団により審査されます」
ということなので、かなり厳正な審査のようです。
ITI公式サイト:https://www.taste-institute.com/ja/home
受賞製品にsaffronと入れて検索してみると、該当のサフランがヒットします。
三つ星:Afghan Saffron Company
二つ星:米国企業のアフガン産Divine Healing Saffron、スペインのPina Saffron
一つ星:アフガニスタンのAladdin-spice社
この三つ星を取った会社の創業者の話を『フェアトレードのおかしな真実』(コナー・ウッドマン 著 松本裕 訳)という本で読んだことがあります。
どんな思いでサフランをアフガニスタンに根付かせたかが書いてあったので、引用しますね。
Afghan Saffron Company創業者の話
彼(ガファール・ハミザイ)はまだ24歳だが、すでにアフガニスタン有数の成功を収めたビジネスマンだ。ガファールの会社アフガン・サフランは、つい5年前(2007年頃)までアフガニスタンではほとんど知られていなかった作物、サフラン[アヤメ科の多年草。香辛料や着色剤に使用される]の国内最大の輸出業者だ。ガファールは、会社の一風変わった立ち上げの頃から、かねて壮大な計画を描いていた。
(出典:『フェアトレードのおかしな真実』、p.225、丸括弧は引用者補足)
「僕たちが提供しているのは『サフランのフルセット』と呼んでいるもので、球茎を売るだけじゃなく、サフランをどうやって植え、育て、収穫し、商品の状態にできたらどうやって売り込み、販売すればいいかまでアドバイスするんです」
(中略)
「今はここヘラートにつくった2か所の研究所で、サフランの検査と認証をおこなっています。最高のサフランをつくった農家には1キロあたり1500ドル、世界最高のサフランには2500ドルだって出しますよ」(出典:同上p.226-227)
こうしたきめ細やかなサービスを提供しているからこそ、短期間で品質が改良されて、最高品質を獲得できているということなのかもしれません。
この本では、実際にアヘン農家からサフラン農家に転じて成功した人の話なども取り上げられています。その方曰く、
「それでもサフランのことを知らなかったから転換には消極的だった。だが他の農家がいい稼ぎを得ているのを見たら、自分たちもやりたくなった」
(出典:同上p.228)
良い収入が得られる作物があれば、自然と転換していく流れが生まれるのですね。
この本には、「フェアトレードって現地の人々にとって本当にフェアなの?」、「フェアトレードのロゴやメッセージがマーケティングツールとして利用されているのでは?」などの疑問を持つ著者が(アフガニスタンを含む)世界各地を取材した内容が纏められています。
明確な答えや結論が提示されているのではなく、読み終えた後にひとりひとりが考える材料をもらえる本だと思います。
今日も読んでくださりありがとうございます。
では。