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アフガニスタン、ダリー語について

冬至の夜を祝って アフガニスタン バルフ州

sufi

klimkinによるPixabayからの画像
上記写真はイメージです。(トルコ)
2020年8月27日最終更新

  

こんにちは。

昨日、12月22日は冬至でしたね。
アフガニスタンのバルフ州では冬至の夜を祝うために文化人が集まったそうです。


バルフ州とは、アフガニスタン北部の州のこと。州都はマザーリシャリーフです。
地図では黄緑色の部分です。

Balkh

(出典:白地図専門店 3kaku-K., 色は引用者)
 

 

さて、冬至のお祝いではどのようなことをしたのでしょうか。

 

バルフ州の文化人と多くの住民がマザーリシャリーフで、「冬至の夜」、つまり一年で最も長い夜をさまざまなプログラムで祝った。 彼らは詩吟、歌唱、サマーウ(※後述)、戯曲の上演などのプログラムを実施することでこの夜を保ち続けている。

 (出典:「文化人たちがバルフ州で冬至の夜を祝う」、1398年山羊座月1日付TOLOニュース記事。和訳、括弧内の注釈は引用者。)

 

色々なプログラムがあるのですね。

ちなみに、プログラムのひとつに挙げられた「サマーウ」は、音楽や詩を聞きながら踊ることです。

より正確には、

サマーウ
原義は”聞くこと”であるが、音楽や舞踏をともなうスーフィー(※1)の修行法を意味する。トルコ語ではセマーと発音される。その手法や規則はタリーカ(※2)によりさまざまであるが、ズィクル(※3)と結びつくことが多い。

※1 スーフィー:アッラーとの合一という神秘体験をめざして、清貧に甘んじて修行に励む人々をさす。”イスラーム神秘主義者”と訳されることが多い。
※2 タリーカ:スーフィズムにおける真理に至る道のこと。
※3 ズィクル:神の名を唱えることにより神を賛美すること。

 (出典:『岩波 イスラーム辞典』138 サマーウ、067スーフィー、135タリーカ、006ズィクル)

 
元記事の1枚目の写真がその様子です。

「文化人たちがバルフ州で冬至の夜を祝う」

tolonews.com
帽子を被って白い衣装を着て男性が踊っていますね。
少し小さめだったので、似たような写真をこの記事の冒頭にも貼り付けました。

アフガニスタン版は見たことがありませんが、前にエジプト版を見たことがあります。目の前で踊ってもらうと圧巻です。
ずっとクルクル回っているので、三半規管が強くないとできませんね。
踊っている様子はまるで無我の境地です。とても美しくて芸術的です。

  

عبدالوهاب مجیر، شاعر در بلخ گفت: «پیامی که برگزاری شب یلدا دارد؛ این است که انسا‌ن‌ها را باهم نزدیک می‌سازد و مرز بین انسان‌ها را ازبین می‌برد.»۱

 

バルフ州の詩人アブドゥル・ワッハーブ・マジールは語った。「冬至の夜を祝うメッセージがあります。冬至の夜は、人々を互いに近しくし、人々の間にある境界をなくすというものです

 

تربوز و انار میوه‌های ویژۀ شب چله استند؛ این دو میوه سرخ رنگ که نمادی از سرخی آفتاب استند، نوید دهندۀ روشنایی در دسترخوان به شمار می‌روند.۱


スイカとザクロは、冬至の夜の特別な果物です。太陽の赤を象徴するこの2つの赤い果物は、食卓に明るさをもたらすお告げとみなされています。

 (出典:同上。和訳、太字は引用者。) 

冬至の夜を祝うメッセージ、素敵ですね。
理想かもしれないけれど、こんな気持ちで夜に集まって鑑賞する文化があるのですね。
記事掲載の写真には女性の姿が見えませんが、どこかで見ているのか、あるいはお留守番なのか。家族で連れだってという感じではないのか、どうなのでしょう。

冬至の夜を祝う特別な果物がスイカとザクロだということも初めて知りました。
初めて出会う文化は新鮮ですね。新しいことを学ぶのは楽しいです。
アフガニスタンのザクロもいつか食べてみたいです。
甘くて美味しいそうですよ。


元記事はこちらです。

「文化人たちがバルフ州で冬至の夜を祝う」

tolonews.com

今日も読んでくださりありがとうございます。
では。