こんばんは。
アフガニスタンではこれからサフランの収穫時期を迎えます。
現地ニュースの関連記事などを元に、ヘラート州のサフランについてまとめました。
ヘラート州とは
アフガニスタンのヘラート州は、下の地図でターコイズ色の部分です。
州都もヘラートهراتです。
出典:https://d-maps.com/carte.php?num_car=25962&lang=en(編集は引用者)
ヘラート州は、西はイランと、北はトルクメニスタンと国境を接しています。
サフランとは
冒頭の写真がサフランの花です。
ここで取り上げるサフランの収穫量とは、サフランの花一輪に3本しかない「雌しべ」のことです。
お料理などで使ったことのある方はご存じだと思いますが、サフランはとても軽いものです。ですから、18トンという収穫量がどれほど膨大かは想像できると思います。
こちらの写真中央、お皿に載っているのが雌しべ(サフラン)です。
Johan PuisaisによるPixabayからの画像
今年のサフラン収穫予測(TOLOニュース記事より)
今回はこちらの記事を読みました。
「サフランの収穫 ヘラート州で18トンを見込む」
ヘラート州の農業局責任者の話として、
・今年は気候が涼しかったため、サフランの質と量によい影響をもたらした。
・予測では、7,000ヘクタールの土地から収穫が見込まれている。
ちなみに、7,000ヘクタールはどのくらいの大きさでしょうか?
7,000ヘクタールは70平方キロメートル。
東京ドームに換算すると、1,497個分(※1)でした。
※1: 東京ドーム1個分は4.6755ヘクタール。
出典:東京ドームについて | よくあるご質問 | 東京ドームシティ
といってもあまり想像できないので、日本の市町村の面積と比較してみました。
滋賀県湖南市(70.40平方キロメートル)、静岡県焼津市(70.31平方キロメートル)、福岡県行橋市(70.06平方キロメートル)、茨城県取手市(69.94平方キロメートル)位の面積と同じようです。(※2)
※2:出典 ランキングデータ 「全国の市 人口・面積・人口密度ランキング」
記事によると、 アフガニスタンのサフランは国外にも輸出されています。
輸出先は、欧州とアラブ諸国です。
さらに、アフガニスタンのサフラン買い入れに関心を示している国は、中国、インド、アラブ首長国連邦、アメリカ、トルコ、一部の欧州諸国です。
海外市場への販路が拓かれることで、サフラン価格が上昇するそうです。
好循環につながると良いですね。
では、アフガニスタン以外でサフランを国外輸出している国はどこでしょうか。
以下で見てみましょう。
世界のサフラン輸出国
世界のサフラン輸出国を調べるにあたり、経済複雑性の観測(The Observatory of Economic Complexity: OEC※3)ウェブサイトから2017年のデータを参照しました。
※3: OECは、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのマクロ・コネクションズ・グループ(現在のコレクティブ・ラーニング)が実施したプロジェクトです。国別の輸出入の状況を可視化したサイトを公開中。
世界のサフラン輸出国(2017年データ)
1位:イラン 48%
2位:スペイン 27%
3位:アフガニスタン 7.7%
出典: Which countries export Saffron? (2017), The Observatory of Economic Complexity (OEC)
アフガニスタン国内でのこれまでのサフラン収穫実績
アフガニスタン中央統計局 ادارهٔ ملی احصائیه و معلومات のサイトに掲載されていた統計資料(2018-2019年版)を参照し、国内のサフラン収穫実績を確認しました。
下図の赤囲みをご覧いただくと、ヘラート州のサフラン生産量が突出していることが分かります。
でもひとつ気になるのは、図の右端の列です。
出典:Afghanistan Statistical Yearbook 2018-19, National Statistics and Information Authority (NSIA)
この図の右端の列は、1ヘクタールあたりの収量を表していますが、ヘラート州は2.0なのに対し、この数値が非常に高い州もあります。
これはどういうことなのでしょうね? 興味深いです。
気候、育て方の問題なのか、他の要因があるのか分かりませんが、
ガズニー州なんて、収量が9.1です。
効率良く栽培できているのか、特別なノウハウがあるのでしょうか?
想像(妄想)が膨らみます・・・・・・
なお、アフガニスタンのサフラン輸出量は、2017年から2018年のデータ(下図)でも飛躍的に伸びていました。
出典:Afghanistan Statistical Yearbook 2018-19, National Statistics and Information Authority (NSIA)
サフラン栽培はアフガニスタンの基幹産業のひとつなのでしょうね。
日本にも少し入っているみたいですが、アフガニスタン産のサフランが、日本市場でも日常的に見られるようになると良いなと思います。
では、今日も読んでくださりありがとうございます。