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アフガニスタン、ダリー語について

童話『ハトとカラス』<後編> کبوتر و زاغ

shoebill

Markéta MachováによるPixabayからの画像

 

こんばんは。

 

今日の写真は一度見たら忘れられない、ちょっと漫画っぽい鳥ハシビロコウ (Shoebill; Balaeniceps rex)です。驚かれた方いらっしゃったら、すみません。

 

私はこういう感じの生き物も結構好きです。
ちょっと恐竜的というか、時空を超越した雰囲気を醸し出していると思いませんか?

 

ダリー語ではلک‌ لک نیل (lak lak niil)と呼ぶようです。
アフリカ(西ナイル地方など)に生息する鳥で今回の童話には出てきませんが、なんだか不思議と気になる鳥です。

 

 

ところで、前回の記事でغالمغالجار‌و‌جنجالについて書きましたが、غالمغالはダリー語特有、جار‌و‌جنجالはイランのペルシア語だけでなく、アフガニスタンでも使うそうです。

ダリー語には色々な表現があるのですね。言葉が豊かだなと思います。

元記事は紫文字で追記しました。良かったらご覧ください。

 

www.daridaridari.com

 

 

 

特に勉強になったフレーズ 其の二

前回の続きとして書いていきます。

 

 اگر نول او را شکستاندم باز شما گله نکنید.۱
(‍もし俺がその(ハトの)嘴を折っても、文句を言わないでくれ。)
 
(和訳は拙訳。以下同様。)
 
نول  (nol) はダリー語で、くちばしの意味です。
他に嘴の意味の単語として、アフガニスタンとイランのペルシア語に共通するのは、
منقار(menqaar)、‍نوک (nok) です。
ペ日・日ペ 現代ペルシア語辞典(合本)ダリー語・ペルシア語用語集調べ、以下同様)
 
 
گله کردن (gela kardan) (やさしめの)苦情を言う
※「なんで言ってくれなかったの? 水くさいねぇ」という時もگله  (gela) だそう。

 

 

کبوتر گفت زاغ ناحق تهمت میکند.۱
(‍ハトは言いました。カラスには無実の罪を着せる権利はありません。)
 

 تهمت کردن (tuhmat kardan) 無実の罪を着せる

 

 

مرغها به یک آواز گفتند که کبوتر راست میگوید. زاغ هیچ حق ندارد که با غالمغال هرچیز را از خود کند.۱
(‍鳥たちは同じことを言いました。ハトは正しいことを言っています。
カラスが騒ぐことでなんでも自分の物にする権利は一切ありません。)
 

 

 

مرغها یک نماینده را پشت اتوتک روان کردند.۱
(‍鳥たちは代理の一羽ヤツガシラを呼びに行かせました。)
 

 

 نماینده را پشت کسی روان کردن  (numaayenda raa pusht kase rawaan kardan)

直訳は「代理人を人の後ろに送る」、意味は「代理人を使って人を呼びに行かせる」です。(当然ですが代理人と人の部分は、別の単語に置き換えられます。)

 

زاغ گفت یک سال میشود که من این خانه را برای خود تیار کرده ام. کبوتر آمده و خانه‌ٔ مرا به زور گرفته است.۱
(‍‍カラスは言いました。俺がこの家を自分で作ってから1年が経ちました。ハトがやって来て、俺の家を力ずくで奪ったのです。)
 

تیار کردن (tayaar kardan)  作る、用意する、準備する

これはダリー語特有の表現です。 

 

ダリー語とイランのペルシア語で、意味が同様の表現を挙げます。

تهیه کردن (taheeya kardan)
درست کردن (durust kardan) 

آماده کردن (aamaada kardan) 

ーーー

به زور گرفتن (ba  zor greftan) 力ずくで奪う

 

 

اگر من یک فیصله کنم، همه قبول میکنید؟
مرغها با تکان دادن بالها موافقت خود را نشان دادند.۱

(‍もし私が仲裁したら、皆同意してくれますか。)
(鳥たちは羽を揺らして自らの同意を示しました。)

 

فیصله کردن  (faisala kardan) 仲裁する

تکان دادن (takaan daadan)  揺らす

نشان دادن (neshaan daadan)  示す、明らかにする

 

2行目の例文、~によって・・・する という表現の باの使い方が勉強になりました。

複雑な表現は、日本語からダリー語に戻せるかと考えながら復習しています。「自分の発想にはない」ダリー語特有の表現などを収集して練習したいです。

 

 

من از کبوتر عذر میخواهم و ازین که چوچه‌ٔ کبوتر را به زیر انداخته‌ام بسیار شرمنده میباشم.۱
(‍俺はハトに謝りたい。
ハトの子どもを地面に落としてしまったことをとても恥じている。)
 

 

از ... عذر (az u'zur )  ・・・を詫びる

از ... شرمنده بودن (az sharmenda boodan) ・・・を恥じている 

 

 

 

اتوتک کبوتر و زاغ را آشتی انداخت.۱ا۱
و به زاغ گفت که بعد از این با کسی جنگ و دعوا نکنی.۱

(‍ヤツガシラはハトとカラスを仲直りさせました。そしてカラスに言いました。これからは誰ともけんかしたり争ったりするんじゃないよ。)
 

 آشتی انداختن (aashtee andaakhtan)  (第三者が)人を仲直りさせる

 

آشتی (aashtee、仲直り)の反対語は、جنگی (jangee、喧嘩している)。

品詞の違いはありますが、上の例文には反対語が盛り込まれていますね。

本を読むと、表現の豊かさが自然に身につくのかもしれません。

 

 

زاغ عزم کرد که دیگر با کسی جنگ و دعوا نکنید.۱
زاغ گفت آفرین کبوتر که برای من قدر زنده‌گی مشترک و یکجایی را فهماند.۱

(‍カラスはもう誰ともけんかしたり争わないことを決意しました。カラスは言いました。立派なハトよ、俺に一緒に共存する尊さを教えてくれてありがとう。)
 

 

この文章で、ひとつ新しい発見がありました。

دیگر (deegar)は今まで、「他の」「別の」「次の」という意味だけだと思い込んでいたのですが、この文章では副詞で使われていて、否定と共に用いて「もう~でない」「もはや~でない」の意味になります。

 

こういうのってなかなかひとりで勉強していると気がつきにくいです。

教えていただいて自分にとっては良い気付きだったので、紹介しました。
少しでもお役に立てることがあれば嬉しいです。

今日も読んでくださってありがとうございます。

ではでは。