こんにちは。
今日はアフガニスタンのグラフィティ・アーティストを紹介します。
名前はشمسیه حسنی(シャムスィーヤ・ハッサーニー)さん。
シャムスィーヤさんは、アフガニスタンでの戦禍を逃れるためイランで難民となっていたご両親のもとに生まれました。イランで生活していましたが、現地では美術を専攻できない状況だったため、アフガニスタンに帰国して、カーブル大学で美術を専攻されたそうです。現在は、グラフィティ・アーティストの傍ら、カーブル大学で教授をされています。
(この記事の一番下に出典を掲載しています。)
ダリー語でグラフィティ・アーティストは نقاش گرافیتی(naqqaash-e graffiti)と言います。
シャムスィーヤさんを知ったのは、以下の動画がきっかけでした。
カーブルのとある通りでグラフィティを描く様子が撮影されています。
Kabul Streets - Graffiti by Shamsia Hassani
(2分5秒の動画です)
女性が通りで絵を描くこと自体が珍しいみたいですね。
じっとその様子を見ている人や、ぽかんとして見ている少年たちの様子も撮られています。
シャムスィーヤさんは毎回同じ女性のキャラクターを描いているのですが、
その女性の目は閉じられていて、あえて口は描かれていません。
目を閉じているのは、目が見えないからではなく、
「周囲に見るべきもの、見たいものがなく、自分の未来も見えないから」だそうです。
口を描かない代わりに、アートによっては「楽器を演奏している姿を描くことで、人々に語りかけ、大きな声で話し、人々の注目を集める」ようにしているとのこと。
この動画は、2018年12月22日に公開されたものです。
アートを通じて自分を表現している姿が素敵です。
この動画で公開されているアートでは、女性が街を抱きしめています。
この街は楽器としても描かれています。
実際、シャムスィーヤさんは街の壁を制作現場にしているので、
街には、彼女の主張を奏でる声の役割があるのでしょう。
私見ですが、街(自分の主張の場)を愛しみ、大切に思う気持ちと、
彼女がアーティストとして、1人の女性として抱えている悲しみが伝わる絵だと思いました。
以下の出典は、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によるシャムスィーヤさんの特集です。
シャムスィーヤさんのアートへの向き合い方や意志の強さを感じました。
女性だけでなく、人ひとりひとりの多様性が受け入れられる社会に少しでも近づけますように。
出典: