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アフガニスタン、ダリー語について

『28言語で読む「星の王子さま」』何か国語で読めますか?

こんばんは。

今日は、お気に入りの一冊を紹介します。

 

28言語で読む「星の王子さま」 世界の言語を学ぶための言語学入門』(風間 伸次郎、山田 伶央 編集)です。

 

サン=テグジュペリの『星の王子さま』を28の言語で表現した一冊です。

東京外国語大学の風間伸次郎先生が手がけられた本で、言語学に興味のある方で『星の王子さま』の世界観がお好きでしたら、とても楽しめる本だと思います。

 

2021年に発行された本ですが、私は遅まきながら今年に入って気づき入手しました。

今では宝物の一冊です。

 

収録言語は次のとおりです。

1 英語
2 ドイツ語
3 フランス語
4 イタリア語
5 スペイン語
6 ポルトガル語
7 ロシア語
8 ポーランド語
9 チェコ語
10 中国語
11 朝鮮語
12 モンゴル語
13 フィリピン語
14 マレーシア語
15 インドネシア語
16 カンボジア語
17 タイ語
18 ラオス語
19 ベトナム語
20 ビルマ語
21 ベンガル語
22 ヒンディー語
23 ウルドゥー語
24 ペルシア語
25 アラビア語
26 トルコ語
27 ウズベク語
28 日本語

 

ほとんど知らない言語ばかりですが、単語ひとつひとつに意味が書かれており、訳も書いてあるので、眺めているだけでも楽しいです。

ビルマ語やベンガル語など読めない言葉の文字を見るだけでもワクワクします。

 

 

もちろんペルシア語部分は、知識があるので、より楽しめます。

 

 

この本の言語を全部分かる人ってどれくらい世界にいるのでしょうね。


多言語と言えば、NHKの キャッチ!世界のトップニュースの放送を観ていて、同じことを考えていました。この番組も、中国語、韓国語、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、アラビア語など、原語のまま聞くことができるので、語学の勉強にはもってこいなのですが、知らない言葉の時は、同時通訳に切り替えて、また戻してという行ったり来たりをしながら観ています。

ずっと原語で視聴できる人ってすごいですよね。とてもカッコイイです。

 

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

最近読んだ本『カカ・ムラド -ナカムラのおじさん』

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KoneviによるPixabayからの画像

 

こんばんは。 

以前このブログで、アフガニスタンで出版されたダリー語の童話『کاکا مراد(カカ・ムラド)』を紹介しました。

この本はアフガニスタンのNGOガフワラが、中村哲先生の功績について語り継ぐために出版したものでした。(ガフワラگهوارهとは、ダリー語で「ゆりかご」を意味します。)

 

以前の紹介記事

www.daridaridari.com

 

昨年12月には日本語版『カカ・ムラド~ナカムラのおじさん』が出版されました。
すでにご存じの方もいらっしゃると思います。

私は今年に入って偶然書店で見かけて購入しました。

 

内容は、中村哲先生の活動を元に書かれた『カカ・ムラド』と、先生のお人柄から着想を得て紡ぎ出された物語『カカ・ムラドと魔法の小箱』の二話です。

全ページフルカラーの絵本です。

 

カカ・ムラド~ナカムラのおじさん

 

 

事実に基づいた物語『カカ・ムラド』は、中村先生の活動がアフガニスタンの方の視点で描かれています。かつてのガンベリ砂漠はどんな場所だったのか、病気の原因を調査していく様子、最終的に用水路が引かれることでガンベリ砂漠がどう変わったのかなど、子供にも分かりやすく書かれていて素敵な絵本になっています。

絵も色とりどりで、見ているだけで温い気持ちになります。

 

物語『カカ・ムラドと魔法の小箱』は、家族の愛情が伝わる作品です。

物語の最後には「魔法の小箱」が描かれています。アフガニスタンの方が描く魔法の小箱のイメージはこれなんだなと納得。絵柄から、中村先生への敬意と愛情が伝わるようでした。

子どもから大人まで幅広い世代の方が読んで楽しめて、学びもある絵本です。

気になる方は是非お手にとってご覧ください。 

 

今日も読んでくださりありがとうございます。

最近読んだ本『言葉の国イランと私: 世界一お喋り上手な人たち』

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fardin1355によるPixabayからの画像


こんにちは。

最近読んだ本の中で、特に面白くて為になったのが

岡田恵美子先生が書かれた『言葉の国イランと私: 世界一お喋り上手な人たち』です。

言葉の国イランと私: 世界一お喋り上手な人たち

 

内容は国語の教師をされていた岡田先生がペルシア語に出会い、1963年にイランに留学するまでのいきさつ、4年間の留学の話、後半ではペルシアの箴言・イスラームの知恵が紹介されています。

2019年に出版された書籍なので、最近の話題も盛り込まれています。 

イランの美徳に寛容、勇気、雄弁が挙げられるという話や、イランの忌み色は黄色をはじめ、知らなかった為になる情報が盛りだくさんで勉強になりました。

岡田先生のペルシア文学に対する情熱意志の強さが溢れる作品です。

 

少し前に岡田先生が訳された『ライラとマジュヌーン (東洋文庫)』を読みました。その時も訳書ということを忘れるくらい物語に引き込まれました。

日本語の豊かさに驚きましたが、大学で国文学を専攻され、国語の教師をされていた方だと知り、納得しました。

物語は悲しい恋の物語ですが、何度も読み返したくなる話です。

 

ご興味ある方は、是非手に取ってみてください。

今日も読んでくださりありがとうございます。

第3言語 ウズベク語、バローチー語、パシャイ語

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Hans BraxmeierによるPixabayからの画像

 

 

こんにちは。

アフガニスタンは多民族国家なので、言語も多様です。

小学校ではダリー語で勉強しているようですが、その他の言語として、小学4年生からパシュトー語と英語が学べます。中1から中3まではアラビア語もありました。

  

この前気がついたのですが、なんと第3言語も学べるようです。

第3言語( زبان سوم)として掲載されていたのは、以下の3言語です。

ウズベク語  ازبکی  (uzbakee)

現代のウズベク語はラテン文字とキリル文字を使っているそうですが、下のリンクからダウンロードできるウズベク語の教科書はアラビア文字(ダリー語と同じ文字)で書かれていました。

 

ウズベク語
中央アジアのウズベキスタンを中心として,タジキスタン,カザフスタン,さらにはアフガニスタンや中国の新疆に行われている言語。チュルク諸語の一つで,その南東方言 (チャガタイ方言) に分類される。話し手約 1200万人。ロシア文字による文字言語を有する。方言的には,南部方言と北部方言に2大別される。(後略)

出典:ウズベク語(ウズベクご)とは - コトバンク

 

バローチー語 بلوچی    (baloochee)

 

バローチー語
バルーチー語ともいう。パキスタンのバルチスターン州を中心に,イラン,アフガニスタンに及ぶ地域に話されている言語で,イラン語派に属する。 200万人以上の話し手がいる。 

出典:バローチー語(バローチーご)とは - コトバンク

 

パラパラと教科書を見た感じ、なんとなく、ダリー語に似ているような気もします。

パシャイ語  پشه‌یی   (pashayee)

パシャイ語話者の人口は約50万人、うち75%がアフガニスタンで暮らしている。口語としてはおよそ2000年の歴史がある一方、文語はわずかに2003年7月から用いられたばかりである。パシャイ語話者の大部分はパシュトー語とバイリンガルである。

出典:Ju-Hong Yun,「パシャイ語開発事業:パシャイ語、文学、地域開発の推進」
(和訳は引用者)

 
この3言語の教科書はこちらに掲載されています。

moe.gov.af

第3言語の教科書は第1学年から第9学年までの分が掲載されています。
(ざっと閲覧した限り)別言語での解説はなく、ターゲット言語をその言語で学ぶ方式の教科書のようです。

この教科書だけを使って独学するのは難しいかもしれませんが、希少言語の教材が無料でインターネット上に掲載されているのは本当に有難いです。
ダリー語の教科書を読む限り、しっかり作られていると思うので、教育省のページには感謝してもしきれないです。感謝。

 

もし上記サイトの表記で分からない単語や表現があれば、こちらの過去記事がお役に立つかもしれません。

www.daridaridari.com
個人的にはバローチ民族の方が着ている衣装が非常にお洒落だと思うので、ダリー語が目標レベルまでいけば(あとどれ位かかるのでしょう? 2年か3年?)、バローチ語を学んでみたいなと思っています。

皆さんはいかがでしょうか? 

今日も読んでくださりありがとうございます。

アフガニスタンの児童書 日本人医師の物語

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NickyPeによるPixabayからの画像
2020年8月27日最終更新

 

こんばんは。

すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、アフガニスタンの新聞TOLOニュースで、中村先生の生涯を書いた児童書のことが記事になっていましたので紹介します。

 

元記事はこちらです。

「アフガンの子供たちの模範となった日本人医師の物語」

tolonews.com

 

記事の一部を引用し、拙訳をつけました。

 

揺りかご出版社は最近、日本人の医師中村哲先生の生涯について2つの新しい物語を書きました。


この2冊の本は、タイトルを『カカ・ムラード』と『カカ・ムラードと魔法の箱』といい、ザビーフ・メフディ氏とハズラト・ワフリーズ氏によって書かれました。本の挿絵は、イラン人とロシア人の童画家によるものです。

この2冊の児童書の著者たちは、中村医師の生涯は、優しさと人間性でできた教訓であり、中村先生の物語を児童文学に取り入れることで、アフガニスタンの子供たちが考える模範(ロールモデル)を変えたいと思うと、語っています。

これまで、アフガニスタンの子供が学ぶ教科書では、一般的に戦争の英雄が適当とされ、取り上げられてきました。

(中略)

中村哲医師は、日本のある団体の代表で、アフガニスタン人の生活状況の改善に人生の30年を捧げた方です。

(出典:「アフガンの子供たちの模範となった日本人医師の物語」、1399年蟹座月8日付TOLOニュース記事。和訳、太字は引用者。)

 


本のタイトルになっていた「カカ・ムラード」は、アフガニスタンでの中村先生の愛称だったそうです。

2冊ともいつか読んでみたいと思いました。

 

記事本文には、児童書についてもう少し詳しい内容が書かれていますのでご興味ある方はご覧ください。

「アフガンの子供たちの模範となった日本人医師の物語」

tolonews.com 

今日も読んでくださりありがとうございます。